10/02/2024 / 最終更新日 : 10/02/2024 komodon-z 映画・ビデオ 猛烈に切なく誇らしい『ロボット・ドリームズ』;ドッグとロボットの泣かせる友情 『ロボット・ドリームズ』(2024・パブロ・ベルヘル監督) 映画評論家・内海陽子 昔、アニメーションの主人公の表情は、人間のそれよりも雄弁だと感激したことがあった。そもそもわたしは人間の顔が好きなのでふだんは劇映画を […]
09/10/2024 / 最終更新日 : 10/02/2024 komodon-z 映画・ビデオ 床下で発見した「妄想」の正体;江口のりこの『愛に乱暴』にある怖ろしさ 『愛に乱暴』(2024・森ガキ侑大監督) 映画評論家・内海陽子 江口のりこ演じる主婦が、夫の態度や姑の存在に神経をとがらせているという始まりである。この設定だけでにわかに胸が高鳴る。そういう平凡な女のよくある状況を平 […]
08/30/2024 / 最終更新日 : 09/10/2024 komodon-z 映画・ビデオ 観客を恐怖におののかせる『悪魔と夜ふかし』;本物の悪魔は人の心に巣くっている 『悪魔と夜ふかし』(2023・コリン・ケアンズ、キャメロン・ケアンズ監督) 映画評論家・内海陽子 テレビの収録スタジオに一般の視聴者がいると、どうしても見世物小屋やサーカス小屋を連想する。そういう観客はまともなものを […]
08/15/2024 / 最終更新日 : 08/31/2024 komodon-z 映画・ビデオ 『本日公休』が描き出す理髪師アールイの人生;「後頭部をみればなんでもわかる」 『本日公休』(2023・フー・ティエンユー監督) 映画評論家・内海陽子 小さいころ、親戚のお姉さんによく髪を切ってもらった。とてもきれいな人で緊張したが、彼女が髪を触る手はやさしかった。その後、何人もの理髪師や美容師 […]
07/31/2024 / 最終更新日 : 08/15/2024 komodon-z 映画・ビデオ さらさらとした母の愛の大きさ;『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は聴覚障害の両親をもつ少年の成長記 『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(2024・呉美保監督) 映画評論家・内海陽子 数人の聴覚障碍の人たちとエレベーターに乗り合わせたとき、楽しそうに手話でおしゃべりする様子に見惚れたことがある。言葉が盛んに行き交ってい […]
07/10/2024 / 最終更新日 : 07/31/2024 komodon-z 映画・ビデオ 美少女リアがカンフーで大活躍!;『ポライト・ソサエティ』は切れ味最高の娯楽映画 『ポライト・ソサエティ』(2023・ニダ・マンズール監督) 映画評論家・内海陽子 かつて多くの職場では、女にとって「結婚は永久就職」と言われ、女はいざとなれば結婚に逃げ込めるからいいなあと男たちに言われたものだ。この […]
06/12/2024 / 最終更新日 : 07/10/2024 komodon-z 映画・ビデオ 三姉妹の諍いが激しい『お母さんが一緒』;画面に出てこない母親の甘酸っぱい存在感 『お母さんが一緒』(2024・橋口亮輔監督) 映画評論家・内海陽子 誰かを見ていて、この人には女のきょうだいがいないだろうな、とか男のきょうだいがいないだろうな、と思うことがある。女のきょうだいがいない男は、女に対す […]
05/23/2024 / 最終更新日 : 06/12/2024 komodon-z 映画・ビデオ 草彅剛の初々しさは輝く;『碁盤斬り』の精密な美しさ 『碁盤斬り』(2024・白石和彌監督) 映画評論家・内海陽子 信念や理想を堂々と掲げるというのは誰にでもできることではない。なぜならそれがみずからを窮地に追いやることがあるからだ。信念や理想を掲げた者はどこか危うさを […]
04/27/2024 / 最終更新日 : 05/23/2024 komodon-z 映画・ビデオ 好きよりももっと好きな二人の関係;『からかい上手の高木さん』は十年かけて育てた初恋の物語 『からかい上手の高木さん』(2024・今泉力哉監督) 映画評論家・内海陽子 昔、勤めていた会社にちょっとした美人Aさんがいた。彼女は近眼らしく、間近で相手の目をしっかり見つめて話す癖があった。女のわたしでも戸惑うこと […]
04/08/2024 / 最終更新日 : 04/27/2024 komodon-z 映画・ビデオ 市原隼人の『劇場版 おいしい給食 Road to イカメシ』を見よ!;給食をめぐる「一期一会」の戦いは続く 『劇場版 おいしい給食 Road to イカメシ』(2024・綾部真弥監督) 映画評論家・内海陽子 可愛い少年だった市原隼人はいつしか筋骨隆々たる青年になった。何をするかと思いきや、テレビドラマで給食愛にあふれる中学 […]
03/27/2024 / 最終更新日 : 04/08/2024 komodon-z 映画・ビデオ チホとイルヨンの恋物語が胸に迫る!;『マイ・スイート・ハニー』はジワリと泣かせてくれるコメディ 『マイ・スイート・ハニー』(2023・イ・ハン監督) 映画評論家・内海陽子 二人の男女のつきあいは、一緒に食事をする“食べ友”として始まった。といっても実際はシングルマザーのイルヨン(キム・ヒソン)がお堅い研究員チホ […]
03/18/2024 / 最終更新日 : 03/27/2024 komodon-z 映画・ビデオ 恋は天下の回りもの『ブルックリンでオペラを』;人生は意表を突く喜びに満ちている 『ブルックリンでオペラを』(2023・レベッカ・ミラー監督) 映画評論家・内海陽子 芸術家に天啓を与える女性という意味で使われる「ミューズ」という讃辞がある。他人が言ってくれるのを待つ間もなく「私はあなたのミューズだ […]
03/04/2024 / 最終更新日 : 03/18/2024 komodon-z 映画・ビデオ 殺人犯と少年たちの熾烈な心理戦;『ゴールド・ボーイ』は果てしない愛憎の迷路 『ゴールド・ボーイ』(2023・金子修介監督) 映画評論家・内海陽子 男でも女でも大人でも子供でも、観ていて心惹かれた人物が最後まで虐げられたまま、という物語にはどうも耐えられない。極上の着地点ではなくとも、その人物 […]
02/12/2024 / 最終更新日 : 03/04/2024 komodon-z 映画・ビデオ 柔軟なエネルギーの発露とまごころ・目黒蓮;ヨコハマ映画祭・最優秀新人賞によせて 「ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞 目黒蓮」 映画評論家・内海陽子 ふだんの生活で、非の打ち所がない美男子に会ってもおもしろくもなんともない。そういう男はたいてい自意識が強く他者に気が回らず、そのくせ他者の賞賛を求めるも […]
02/11/2024 / 最終更新日 : 02/12/2024 komodon-z 映画・ビデオ 黒木華と岸井ゆきの――大女優への道;内海陽子が論じるヨコハマ映画祭主演女優賞の2人 第45回ヨコハマ映画祭は2月4日に開催されました。今回も映画ファンが注目したトピックは多くありましたが、特に話題となったのは主演女優賞が黒木華さんと岸井ゆきのさんの2人に贈られたことです。2人の力量は定評のあるところです […]
01/30/2024 / 最終更新日 : 02/11/2024 komodon-z 映画・ビデオ リュック・ベッソンの『DOGMAN ドッグマン』;すさまじい殺戮と深い癒しの物語 『DOGMANドッグマン』(2023・リュック・ベッソン監督) 映画評論家・内海陽子 奇人、変人、あるいは狂人と思われる人物と精神科医が室内で向き合う。こういうシーンを見ると、にわかに緊張する。なぜともなく、精神科医 […]
01/14/2024 / 最終更新日 : 01/30/2024 komodon-z 映画・ビデオ ムロツヨシが大活躍する『身代わり忠臣蔵』;多彩なキャストで笑わせる正月映画の楽しさ 『身代わり忠臣蔵』(2024・河合勇人監督) 映画評論家・内海陽子 たいていの人がよく知っている「忠臣蔵」ともなれば、もはやイジル余地はない気がするが、歴史には必ず裏があり、捏造された物語だという説もある。そして現代 […]
01/08/2024 / 最終更新日 : 04/12/2024 komodon-z 映画・ビデオ 風格ある江口のりこの演技力;『あまろっく』は「失意」からの脱出物語 『あまろっく』(2024・中村和宏監督) 映画評論家・内海陽子 飾り気のないスカッとした助演をやらせたら右に出る者のない江口のりこ。画面の片隅にいたとしてもすぐに見つかるし、独特の受けの演技で周囲の役者を引き立てる力 […]
12/21/2023 / 最終更新日 : 01/14/2024 komodon-z 映画・ビデオ 最後まで観客を振り回す見事な展開;『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』で味わう恐怖と謎とき 『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』(2022・ダニー&マイケル・フィリッポウ監督) 映画評論家・内海陽子 わたしは未だに「こっくりさん」を試したことがない。鏡に向かって「キャンディマン」と5回唱えたことがな […]
11/21/2023 / 最終更新日 : 12/21/2023 komodon-z 映画・ビデオ 足立紳監督『春よ来い、マジで来い』を語る;内海陽子が迫る最新小説と『ブギウギ』の背景 足立紳監督『春よ来い、マジで来い』を語る;内海陽子が迫る最新小説と『ブギウギ』の背景 足立紳監督インタビュー 映画評論家・内海陽子 いま放映中のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』の作者として注目されている足立紳監督に、この […]
11/06/2023 / 最終更新日 : 11/21/2023 komodon-z 映画・ビデオ 『ショータイム!』は哀歓に満ちた奇跡の物語;すべての人生は敗者復活戦だ 『ショータイム!』(2022・ジャン=ピエール・アメリス監督) 映画評論家・内海陽子 このところわたしが好きになるフランス映画は、主要人物が田舎に向かうと元気を取り戻す展開になるものが多い。これは、都会よりも田舎のほ […]
10/02/2023 / 最終更新日 : 11/06/2023 komodon-z 映画・ビデオ 女は被害者ではなく加害者がふさわしい;『私がやりました』の魅惑的なアジテーション 『私がやりました』(2023・フランソワ・オゾン監督) 映画評論家・内海陽子 一般の世界ですら、若い娘はいけ好かないオヤジから身を守るのに苦労するのだから、美と才能が売り物の世界に打って出ようとする新人女優にとって、 […]
09/13/2023 / 最終更新日 : 10/02/2023 komodon-z 映画・ビデオ 『LONESOME VACATION ロンサムバケーション』の「行間」を読む楽しさ;自分の未来を発見する物語 『LONESOME VACATION ロンサムバケーション』(2023・下社敦郎監督) 映画評論家・内海陽子 現実の探偵業というのはひたすら地味で緻密な作業を求められるものだと思うが、映画の中の探偵はたいてい夢見がち […]
08/29/2023 / 最終更新日 : 09/13/2023 komodon-z 映画・ビデオ はちゃめちゃな闘いぶりに体温が上がる;『 SISU/シス 不死身の男』は屈しない精神の映画 『SISU/シス 不死身の男』(2022・ヤルマリ・ヘランダー監督) 映画評論家・内海陽子 夫と男児を殺された女が立ち上がる『女は二度決断する』(2018・ファティ・アキン監督)という秀作がある。この映画を非常に気に […]
08/10/2023 / 最終更新日 : 08/29/2023 komodon-z 映画・ビデオ 孤独・情熱そして生きる意欲;人間の深みを描く『ダンサー イン Paris』 『ダンサー イン Paris』(2022・セドリック・クラピッシュ監督) 映画評論家・内海陽子 フランス人バレエダンサーのすらりと伸びた美しい肢体が映し出されると、一瞬で気圧される。「パリ・オペラ座」の舞台で重要な役 […]
07/06/2023 / 最終更新日 : 08/13/2023 komodon-z 映画・ビデオ 『高野豆腐店の春』は男心のサスペンス;藤竜也は女たちを輝かせる 『高野豆腐店の春』(2023・三原光尋監督) 映画評論家・内海陽子 かつて藤竜也が農村を舞台にしたある映画に出演した際、ロケ地に向かう道すがら、何人もの農家の女性とすれ違って挨拶を交わした。ある日、ふと気づくと彼女た […]
07/01/2023 / 最終更新日 : 07/06/2023 komodon-z 映画・ビデオ 父と息子の対決を包み込むあたたかい風;『ふたりのマエストロ』の颯爽とした女たち 『ふたりのマエストロ』(2022・ブリュノ・シッシュ監督) 映画評論家・内海陽子 すぐれた技量や業績を誇る人が必ずしも人格高潔というわけではない。重大な悪事を働くところまでは至らないにしても、ちょっとした性格上の欠陥 […]
06/07/2023 / 最終更新日 : 07/01/2023 komodon-z 映画・ビデオ 『釜石ラーメン物語』はチャーミングでハッピー;闘い続ける姉妹が発散する活力 『釜石ラーメン物語』(2022・今関あきよし監督) 映画評論家・内海陽子 あまりぱっとしない料理番組のようなタイトルだが、中味は美少女姉妹の微笑ましい奮闘記である。ある理由から故郷の町を離れていた姉が帰郷し、実家のラ […]
05/04/2023 / 最終更新日 : 06/07/2023 komodon-z 映画・ビデオ 「ちきゅう」はどこまでも繋がっている;『せかいのおきく』にある強い向日性 『せかいのおきく』(2023・阪本順治監督) 映画評論家・内海陽子 天秤棒を上手に操って桶を運ぶ男の姿は威勢がよくてなかなかいいものだ。その桶に入っているのが魚なら、一心太助のようないなせな若い衆をイメージするところ […]
04/26/2023 / 最終更新日 : 05/04/2023 komodon-z 映画・ビデオ 『テノール! 人生はハーモニー』の愛と悲しみ;思う相手に心が届く瞬間 『テノール! 人生はハーモニー』(2021・クロード・ジディ・ジュニア監督) 映画評論家・内海陽子 手塩にかけて育てるという言葉がある。あらゆる分野で働く有能な人々、多くの芸人や芸術家もまた、手塩にかけて育てられる。 […]
03/30/2023 / 最終更新日 : 04/26/2023 komodon-z 映画・ビデオ 手ごたえのある人生を勝ち取る;『ウィ・シェフ!』の深い味わい 『ウィ・シェフ!』(2022・ルイ=ジュリアン・プティ監督) 映画評論家・内海陽子 有名女優が冒頭から華やかさを振りまく映画は文句なくいいが、見慣れない顔の女優が次第にインパクトを増していく映画もまた素敵だ。本作は […]
03/15/2023 / 最終更新日 : 03/30/2023 komodon-z 映画・ビデオ 後悔を乗り越えるための戦い;リーアム・ニーソン『MEMORY メモリー』の憂愁とりりしさ 『MEMORY メモリー』(2022・マーティン・キャンベル監督) 映画評論家・内海陽子 いつものところにあるはずの物がない。これはけっこう恐ろしい。仕事を終え、車の鍵がいつものところではなく、服のポケットにあったこ […]
02/26/2023 / 最終更新日 : 03/15/2023 komodon-z 映画・ビデオ 『Winny』は人生のドラマ;東出昌大という俳優の復活をみる 『Winny』(2023・松本優作監督) 映画評論家・内海陽子 今はやむなく愛用しているが、パソコンに慣れるまでに時間がかかったので、パソコンに熱中する人を見るのは好きではない。薄暗い部屋で目をギラギラさせてパソコ […]
02/13/2023 / 最終更新日 : 02/26/2023 komodon-z 映画・ビデオ 永遠性を獲得した異形の少女;『エスター ファースト・キル』が暴く家族の狂気 『エスター ファースト・キル』(2022・ウィリアム・ブレント・ベル監督) 映画評論家・内海陽子 一見、行儀がよく賢そうな少女が残虐な本性をあらわにし、平和に見えた一家を破壊していく。第一作『エスター』(2009) […]
01/23/2023 / 最終更新日 : 02/13/2023 komodon-z 映画・ビデオ 悩んで悩んで悩みぬく竹野内豊と黒木華;『イチケイのカラス』は上質なエンターテインメント 『イチケイのカラス』(2023・田中亮監督) 映画評論家・内海陽子 そもそも「イチケイのカラス」がテレビドラマのときから、竹野内豊はいかめしい裁判官というイメージから遠く離れており、わたしは別のテレビドラマ「素敵な選 […]
01/11/2023 / 最終更新日 : 03/11/2023 komodon-z 映画・ビデオ 弱虫だから輝く『雑魚どもよ、大志を抱け!』;内海陽子が足立紳監督の魅力と「誕生秘話」を語る 『雑魚どもよ、大志を抱け!』(足立紳監督 2023) 映画評論家・内海陽子 足立紳監督の新作『雑魚どもよ、大志を抱け!』の公開が近づいています。独特の作風をもつ足立監督が、この作品で取り組んだのは「弱虫」少年の主人 […]
12/26/2022 / 最終更新日 : 01/11/2023 komodon-z 映画・ビデオ 近づく旅立ちの日;『いつかの君にもわかること』の手応え 『いつかの君にもわかること』(2020・ウベルト・パゾリーニ監督) 映画評論家・内海陽子 見過ごしてしまいそうな小さな事柄に生きる指針になる宝が潜んでいる。『おみおくりの作法』(2013)で世界的に知られるウベルト・ […]
11/02/2022 / 最終更新日 : 12/26/2022 komodon-z 映画・ビデオ 世界は美しさに満ちている;カンバーバッチの『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』 『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』(2021・ウィル・シャープ監督) 映画評論家・内海陽子 耳になじんでいた歌が、同じ歌手でもまるで違う歌のように聞こえることがあるように、何度も見聞きした物語が、今まで知らなか […]
10/11/2022 / 最終更新日 : 11/02/2022 komodon-z 映画・ビデオ 阿部サダヲの『アイ・アム まきもと』は温かい;死を通じて人と繋がる静かな高揚感 『アイ・アム まきもと』(2022・水田伸生監督) 映画評論家・内海陽子 大きく現実離れしてはいないが、どこか浮いていてシュールなイメージを醸し出す名優・阿部サダヲが『おみおくりの作法』(2013・ウベルト・パゾリー […]
09/30/2022 / 最終更新日 : 10/11/2022 komodon-z 映画・ビデオ 生きる上で幸福は花火のよう;『夜、鳥たちが啼く』の晴れやかな世界への出発 『夜、鳥たちが啼く』(2022・城定秀夫監督) 映画評論家・内海陽子 深刻な顔をして物を書く人を見るのは苦手だが、この映画で小説家・慎一を演じる山田裕貴はどことなくアクティヴな気配がしてわるくない。それはわたしがテレビ […]
09/20/2022 / 最終更新日 : 09/30/2022 komodon-z 映画・ビデオ 男がひとりで食べるフルーツパフェの味;『窓辺にて』の嫉妬とおかしみ 『窓辺にて』(2022・今泉力哉監督) 映画評論家・内海陽子 この映画の主人公が大事に抱える悩みは「なぜ妻の浮気に嫉妬しないのだろうか」である。ふ~ん、そういう人もいるのか、で終わらせてしまえばそれまでのことだが、多 […]
08/29/2022 / 最終更新日 : 09/20/2022 komodon-z 映画・ビデオ 正念場を迎えた4つのカップル;『もっと超越した所へ。』のいい加減で深刻な情熱 『もっと超越した所へ。』(2022・山岸聖太監督) 映画評論家・内海陽子 クズ男に振り回される気の好い女たち4人の奮闘記、という体裁のにぎやかなラブコメディ。よく見ると男たちはそうクズでもない。第一、誠実でよく働く立 […]
08/09/2022 / 最終更新日 : 08/29/2022 komodon-z 映画・ビデオ 『ドライビング・バニー』は振り返らない;アンチヒーローの正義 『ドライビング・バニー』(2021・ゲイソン・サヴァット監督) 映画評論家・内海陽子 物語の主人公になるには、いくらマイナス要素を抱えていても他人を味方にできる力を持っていなくてはならない。この映画の主人公、バニー( […]
07/30/2022 / 最終更新日 : 08/09/2022 komodon-z 映画・ビデオ 永野芽郁のバンカラ女子がいい;『マイ・ブロークン・マリコ』の確かな手ごたえ 『マイ・ブロークン・マリコ』(2022・タナダユキ監督) 映画評論家・内海陽子 悲劇の主人公が、いかにも悲劇の主人公として観客に共感を迫るのは二流だ。たいていの悲劇は他人にはさしたる悲劇ではなく、ときどきかなり滑稽な […]
07/18/2022 / 最終更新日 : 07/30/2022 komodon-z 映画・ビデオ 料理が結ぶ恋愛関係;『デリシュ!』で楽しむ幸福の味 『デリシュ!』(2020・エリック・ベナール監督) 映画評論家・内海陽子 今はお金さえ出せば誰でも最高級の料理を味わえるが、貴族だけが自分の料理人を持ち、贅沢三昧をしていた時代があった。この映画の冒頭に登場する貴族た […]
07/01/2022 / 最終更新日 : 07/18/2022 komodon-z 映画・ビデオ 「イエス」で答えて「アンド」で繋げる未来;『もうひとつのことば』の初々しい二人 『もうひとつのことば』(2021・堤真矢監督) 映画評論家・内海陽子 「このご時世にちょっと英語ができたって、わたしにできるのはカフェで嘘つくだけ」とヒロインが慨嘆するシーンがある。この言葉にほっとしたあなたは、英語が […]
06/22/2022 / 最終更新日 : 07/01/2022 komodon-z 映画・ビデオ 人生における美しい瞬間;『セイント・フランシス』の小さな体験 『セイント・フランシス』(2019・アレックス・トンプソン監督) 映画評論家・内海陽子 ゲイの男性の晩年を描く『スワンソング』(2021)の終盤に、海辺で楽しそうに子どもを遊ばせるゲイのカップルが現れる。「男同士が子 […]
05/31/2022 / 最終更新日 : 06/22/2022 komodon-z 映画・ビデオ あの世への優雅なダンス;『スワンソング』の心地よい風に吹かれて 『スワンソング』(2021・トッド・スティーブンス監督) 映画評論家・内海陽子 心弾まないグレーのトーンにおおわれた療養施設で過ごすミスター・パット(ウド・キアー)は、毎日が面白くない。食事用ナプキンをこっそり持ち帰 […]
05/23/2022 / 最終更新日 : 05/31/2022 komodon-z 映画・ビデオ 鳥肌が立つほどの軽やかさと上品さ;中井貴一の『大河への道』は裏切らない 『大河への道』(2022・中西健二監督) 映画評論家・内海陽子 俳優の中井貴一を信頼している。特に、人の思惑の板挟みになり、やむを得ず奮闘する中間管理職の中井貴一を信頼している。小泉今日子と共演したドラマ『最後から二 […]
05/03/2022 / 最終更新日 : 05/23/2022 komodon-z 映画・ビデオ 「少女」を演じる宮本信子が温かい;『メタモルフォーゼの縁側』は生きて行く活力を伝える 『メタモルフォーゼの縁側』(2022・狩山俊輔監督) 映画評論家・内海陽子 生きて行くためには活力が必要だが、その活力は自分で生み出さなければならない。しかし活力というのは年齢を重ねれば体力とともに減退し、雑事に追わ […]
04/07/2022 / 最終更新日 : 05/03/2022 komodon-z 映画・ビデオ 奇妙な悲しみをたたえる阿部サダヲが怖い;『死刑にいたる病』が残す余韻 『死刑にいたる病』(2022・白石和彌監督) 映画評論家・内海陽子 映画やドラマに登場する殺人鬼は多種多様だが、画期的だったのは『羊たちの沈黙』(1991・ジョナサン・デミ監督)でアンソニー・ホプキンスが演じたレクタ […]
03/30/2022 / 最終更新日 : 04/07/2022 komodon-z 映画・ビデオ 生きることはミステリアス;小林聡美の『ツユクサ』がもつ苦味とおかしみ 『ツユクサ』(2022・平山秀幸監督) 映画評論家・内海陽子 初主演作『転校生』(1982・大林宣彦監督)で外見は女の子、中味は男の子を演じて脚光を浴びて以来、変わらぬ独自のたたずまいを誇るのが小林聡美である。見るから […]
03/15/2022 / 最終更新日 : 03/30/2022 komodon-z 映画・ビデオ 田中圭の『女子校生に殺されたい』;目当ての少女を見つけ出せ! 『女子高生に殺されたい』(2022・城定秀夫監督) 映画評論家・内海陽子 ネアカなイメージの田中圭は“巻き込まれ型”キャラクターが一番似合うと思っているが、だとすればなおさらネクラで能動的な役に挑戦したくなるのだろう […]
03/07/2022 / 最終更新日 : 03/15/2022 komodon-z 映画・ビデオ 隠し味が効いてる『ゴヤの名画と優しい泥棒』;実話の映画化はやっぱり喜劇が最高だ! 『ゴヤの名画と優しい泥棒』(2020・ロジャー・ミッシェル監督) 映画評論家・内海陽子 傑出した女性の後ろに影のように寄り添い、彼女を盛り立てる夫を演じて好印象を与えてきたのがジム・ブロードベントである。『アイリス』 […]
02/11/2022 / 最終更新日 : 03/07/2022 komodon-z 映画・ビデオ 肩の凝らない、いいセーター;今泉力哉監督の『猫は逃げた』は恋のトラブルの高みの見物 『猫は逃げた』(2021・今泉力哉監督) 映画評論家・内海陽子 子はかすがいという時代は去って、今や猫はかすがいという時代になったかもしれない、と考察する映画であろうか。小説家を志しつつ、週刊誌記者をしている町田広重 […]
02/08/2022 / 最終更新日 : 02/11/2022 komodon-z 映画・ビデオ 深い思いやりをもって吸い付くように伴走する笠松則通の眼;ヨコハマ映画祭・撮影賞に寄せて 第43回ヨコハマ映画祭 撮影賞 笠松則通(『すばらしき世界』) 映画評論家・内海陽子 左に大きく傾いだ東京タワーがゆっくり立ち上がり、徐々に小さくなって行く夜景が画面いっぱいに現れたとき、わたしは三上(役所広司)と深く […]
01/28/2022 / 最終更新日 : 02/08/2022 komodon-z 映画・ビデオ 臨床心理士が逆に心を解読される恐怖;『カウンセラー』がみせる短編映画の切れ味 『カウンセラー』(2020・酒井善三監督) 映画評論家・内海陽子 かなり昔、知り合いのバーのマダムから、外国の映画祭に出席するので代わりに店を預かってくれと頼まれたことがある。尻込みして断ったが、ある人が「マダムの仕事 […]
01/17/2022 / 最終更新日 : 01/28/2022 komodon-z 映画・ビデオ 胸がすく女殺し屋の戦闘シーン;『ガンパウダー・ミルクシェイク』から目を離すな! 『ガンパウダー・ミルクシェイク』(2021・ナヴォット・パプシャド監督) 映画評論家・内海陽子 身体頑健で無敵の女性が大活躍する映画というのは、たいていゲームやコミックが原作で、その非人間的な破綻のないアクションを見 […]
12/28/2021 / 最終更新日 : 01/17/2022 komodon-z 映画・ビデオ 体全体で感じる音楽の喜び;『CODA あいのうた』の家族たち 『CODA あいのうた』(2021・シアン・ヘダー監督) 映画評論家・内海陽子 ちょっと小粒のいい映画がアメリカでリメイクされると、配役で気を引く大味な映画に変貌することがある。ほとんどはオリジナルのほうに軍配が上が […]
12/08/2021 / 最終更新日 : 12/28/2021 komodon-z 映画・ビデオ AIを超える人間の誠意;『ブラックボックス 音声分析捜査』の最後に残る希望とは 『ブラックボックス 音声分析捜査』(2021・ヤン・ゴズラン監督) 映画評論家・内海陽子 作り話に決まっているホラーの場合でも「実話の映画化」と銘打たれて喧伝されることがある。そう聞くとなにやら重要性が増したような気 […]
11/15/2021 / 最終更新日 : 12/08/2021 komodon-z 映画・ビデオ 小さな人間にも偉大なことはできる;妻の仇討ち物語『ライダーズ・オブ・ジャスティス』 『ライダーズ・オブ・ジャスティス』(2020・アナス・トマス・イェンセン監督) 映画評論家・内海陽子 クリスマスの奇跡に包まれた残酷なおとぎ話、とでも言ったらいいだろうか。“ライダーズ・オブ・ジャスティス”=ROJと […]
11/02/2021 / 最終更新日 : 11/15/2021 komodon-z 映画・ビデオ 前進する者への確かなエール;リーアム・ニーソンの『マークスマン』 『マークスマン』(2021・ロバート・ロレンツ監督) 映画評論家・内海陽子 孤独な大人が、弱い子どもを守って凶悪な組織に闘いを挑む物語と言えば、ジーナ・ローランズ主演『グロリア』(1980・ジョン・カサベテス監督)と […]
10/14/2021 / 最終更新日 : 11/02/2021 komodon-z 映画・ビデオ 生き生きとした幸福のヒント;加賀まりこが母を演じる『梅切らぬバカ』 『梅切らぬバカ』(2021・和島香太郎監督) 映画評論家・内海陽子 映画から「こんにちは」という声が聞こえてくる。声の主は加賀まりこだが、加賀まりこが演じているというより、加賀まりこに似たステキなおくさんがそこにいる […]
10/04/2021 / 最終更新日 : 10/14/2021 komodon-z 映画・ビデオ おどおどしつつも男の意気地が光る!;中谷美紀と田中圭の『総理の夫』 『総理の夫』(2021・河合勇人監督) 映画評論家・内海陽子 政界の暗くて怖い部分はきれいにオブラートにくるまれ、日本初の女性内閣総理大臣、相馬凛子(中谷美紀)はすらりと登場する。彼女の熱狂的支持者は“凛子ジェンヌ” […]
09/17/2021 / 最終更新日 : 10/04/2021 komodon-z 映画・ビデオ 二人はともに優しい女房のよう;西島秀俊と内野聖陽の『劇場版 きのう何食べた?』 『劇場版 きのう何食べた?』(2021・中江和仁監督) 映画評論家・内海陽子 遅まきながら観たテレビシリーズで、西島秀俊と内野聖陽が演じる「シロさんとケンジ」に好感を抱いたので、劇場版には大好きな友だちの顔を久しぶり […]
09/08/2021 / 最終更新日 : 09/17/2021 komodon-z 映画・ビデオ 早すぎる時間の中での成長;『オールド』にみるシャマラン監督の新境地 『オールド』(2021・M・ナイト・シャマラン監督) 映画評論家・内海陽子 どこのリゾートホテルに「あなた方を好きになったから、特別なビーチにご案内します」と囁く支配人がいるだろうか。わけもなくおいしい言葉を並べるの […]
08/29/2021 / 最終更新日 : 09/11/2021 komodon-z 映画・ビデオ 底なし沼に足を踏み入れたヒロイン;『アンテベラム』の終わらない感情 『アンテベラム』(2020・ジェラルド・ブッシュ&クリストファー・レンツ監督) 映画評論家・内海陽子 先祖の記憶が自分の現在に影響を及ぼすというのは、よほど強烈な生き方をした先祖がいる場合だ。かつてのアメリカ南部の奴 […]
08/15/2021 / 最終更新日 : 08/29/2021 komodon-z 映画・ビデオ ジェイソン・ステイサムの暗く鈍い輝き;『キャッシュトラック』の「悪役」が魅せる 『キャッシュトラック』(2021・ガイ・リッチー監督) 映画評論家・内海陽子 人間と同じように、映画にも観ていて“手のかかる”ものがある。もちろん、ストレートで手のかからないものをわたしは好むが、ときによっては“手のか […]
07/23/2021 / 最終更新日 : 08/15/2021 komodon-z 映画・ビデオ ムロツヨシの「愚直」な演技力;『マイ・ダディ』の聖なる滑稽さ 『マイ・ダディ』(2021・金井純一監督) 映画評論家・内海陽子 ちょっと気持ち悪い男を演じさせたら天下一品のムロツヨシは、いつしかすっかり二枚目半になり、とうとう主役として二枚目を演じる域に突入した。といっても真正 […]
07/01/2021 / 最終更新日 : 07/23/2021 komodon-z 映画・ビデオ 未来についての勇気の物語;『愛のくだらない』の藤原麻希がみせる推進力 『愛のくだらない』(2020・野本梢監督) 映画評論家・内海陽子 どんな美男美女もときと場合によっては醜い表情をするが、映画やテレビドラマで、美男美女がわざとらしく醜い表情をするとうんざりする。その醜さが管理されたも […]
06/16/2021 / 最終更新日 : 07/01/2021 komodon-z 映画・ビデオ 漫画家夫婦の不倫ゲームを楽しむ;黒木華と柄本佑の『先生、私の隣に座っていただけませんか?』 『先生、私の隣に座っていただけませんか?』(2021・堀江貴大監督) 映画評論家・内海陽子 漫画が物語の重要な役割をになう映画が続く。6月に公開された『キャラクター』(2021・永井総監督)は、えぐみの強いホラー系漫 […]
06/10/2021 / 最終更新日 : 06/16/2021 komodon-z 映画・ビデオ 「君は世界を守れ、俺は君を守る」;初々しい『少年の君』のチョウ・ドンユイ 『少年の君』(2019・デレク・ツァン監督) 映画評論家・内海陽子 映画には、ときどき忘れえぬヒロインが登場する。近年の中国映画の場合、即座に思い浮かぶのは『紅いコーリャン』(1987)のコン・リー、『初恋のきた道 […]
06/02/2021 / 最終更新日 : 06/10/2021 komodon-z 映画・ビデオ 王道を行く人情コメディ;やっぱり笑える『明日に向かって笑え!』 『明日に向かって笑え!』(2019・セバスティアン・ボレンズテイン監督) 映画評論家・内海陽子 『ファイナル・プラン』のようにたった一人で挑む犯行もあるが、やはり強盗、強奪ものは大人数のほうがおもしろい。といっても問題 […]
05/18/2021 / 最終更新日 : 06/02/2021 komodon-z 映画・ビデオ 恋ゆえに渡る危ない橋『ファイナル・プラン』;リーアム・ニーソンからの「夢のギフト」 『ファイナル・プラン』(2021・マーク・ウィリアムズ監督) 映画評論家・内海陽子 公序良俗を乱してはならないという掟があるせいか、銀行強盗サスペンスはエンディングが腰砕けになるものが多い。せっかく見事な計画を立て、 […]
05/04/2021 / 最終更新日 : 05/18/2021 komodon-z 映画・ビデオ 異様な細部がすばらしい『ベルヴィル・ランデブー』;おばあちゃんの闘争は続く! 『ベルヴィル・ランデブー』(2002・シルヴァン・ショメ監督) 映画評論家・内海陽子 明るくて清潔でピカピカしていていい匂いがするようなものは好ましいが、このアニメーションはそういうタイプの作品ではない。画面に映し出 […]
04/21/2021 / 最終更新日 : 02/05/2023 komodon-z 映画・ビデオ 役所広司の醸し出す「歴史」;『峠 最後のサムライ』のぬくもり 『峠 最後のサムライ』(2020・小泉堯史監督) 映画評論家・内海陽子 時代劇というのはほぼ想像の世界の産物だから、どういう描写があってもそういうものかと思うしかないのだが、一番いただけないのは、形態模写のような歴史 […]
03/29/2021 / 最終更新日 : 04/21/2021 komodon-z 映画・ビデオ 「打倒! まとも」が新しい世界を運んでくる;『まともじゃないのは君も一緒』の成田凌を深読みする 『まともじゃないのは君も一緒』(2021・前田弘二監督) 映画評論家・内海陽子 感情がもつれて混乱の極みに達したヒロインが、終盤で「全部、嘘」と言い放つところからようやくまともな物語が始まる。この先の物語はハッピーで […]
03/08/2021 / 最終更新日 : 03/29/2021 komodon-z 映画・ビデオ チャーミングな老人映画;『カムバック・トゥ・ハリウッド!!』を見逃すな 『カムバック・トゥ・ハリウッド!!』(2020・ジョージ・ギャロ監督) 映画評論家・内海陽子 アカデミー賞受賞スターが勢ぞろいする映画というのはクセモノで、期待に胸をふくらませて飛びつくと当てが外れることがある。かつ […]
02/20/2021 / 最終更新日 : 03/08/2021 komodon-z 映画・ビデオ 最高の「嘘っぱち!」物語;『騙し絵の牙』の大泉洋は期待通りの全開 『騙し絵の牙』(2020・吉田大八監督) 映画評論家・内海陽子 こんなうまい話があるものか、と思いながらもはらはらどきどきして画面から目が離せず、肩入れした主人公や登場人物が、物語の中をすいすい泳ぎ回る姿に陶然となる […]
02/07/2021 / 最終更新日 : 02/20/2021 komodon-z 映画・ビデオ 感情を自在に操ることのできる演技者・水川あさみ;ヨコハマ映画祭・主演女優賞受賞によせて 「ヨコハマ映画祭」主演女優賞 水川あさみ 映画評論家・内海陽子 2021年2月5日、第41回ヨコハマ映画祭において『喜劇 愛妻物語』『滑走路』で好演した水川あさみさんに、主演女優賞がおくられました。また、『喜劇 愛妻 […]
01/25/2021 / 最終更新日 : 02/07/2021 komodon-z 映画・ビデオ 娑婆は我慢の連続、でも空は広い;西川美和監督の『すばらしき世界』は温かく冷たい 『すばらしき世界』(2021・西川美和監督) 映画評論家・内海陽子 飛び上がるほど嬉しいことがあった主人公が街を疾走しながら「シャブうったみたいだあ!」と口走る。彼の幸福を喜びながら、この映画そのものが、わたしにとっ […]
12/29/2020 / 最終更新日 : 01/25/2021 komodon-z 映画・ビデオ 小粋な女性のサッカー・チーム;『クイーンズ・オブ・フィールド』で愉快になれる 『クイーンズ・オブ・フィールド』(2019・モハメド・ハムディ監督) 映画評論家・内海陽子 いまがだめならなおのこと、過去の栄光は輝かしい。北フランス・クルリエールのサッカーチーム「SPAC」は90年の歴史を誇るが、 […]
12/27/2020 / 最終更新日 : 12/29/2020 komodon-z 映画・ビデオ 内海陽子「誇り高き者の確執、愛憎」;佐野亨編『リドリー・スコット』に寄稿しました シリーズ「映画の巨人たち」の1冊、佐野亨編『リドリー・スコット』(辰巳出版)が刊行されました。本サイトで映画評を書いておられる映画評論家の内海陽子さんは「誇り高き者の確執、愛憎」を寄稿しています。ここでは、ほんの一部を紹 […]
11/25/2020 / 最終更新日 : 12/27/2020 komodon-z 映画・ビデオ 弱い人間への労りのまなざし;波瑠の『ホテルローヤル』 『ホテルローヤル』(2020・武正晴監督) 映画評論家・内海陽子 わたしはホテルに勤めたことはないが、デパートに勤めたことがある。どちらもお客を迎える表のエリアは華やかだが、従業員が行き来する裏のエリアは殺伐としてい […]
11/13/2020 / 最終更新日 : 11/25/2020 komodon-z 映画・ビデオ 老いてにぎやかな人生;田中裕子の『おらおらでひとりいぐも』 『おらおらでひとりいぐも』(2020・沖田修一監督) 映画評論家・内海陽子 年を重ねることはいやおうなく孤独に向き合うことだろうが、その孤独がえらくうるさい場合がある。この映画のヒロイン桃子(田中裕子)は、ごく普通に […]
10/31/2020 / 最終更新日 : 11/25/2020 komodon-z 映画・ビデオ 挑戦をやめない家族;『ヒトラーに盗られたうさぎ』でリフレッシュ 『ヒトラーに盗られたうさぎ』(2019・カロリーヌ・リンク監督) 映画評論家・内海陽子 「ヒトラー」という名がタイトルについていると自動的に身構える癖がある。恐ろしいこと、悲惨なこと、二度と見たくないことが描かれること […]
10/19/2020 / 最終更新日 : 10/31/2020 komodon-z 映画・ビデオ どことなく滑稽でどことなく怖い;『星の子』にみる芦田愛菜の包容力 『星の子』(2020・大森立嗣監督) 映画評論家・内海陽子 いままで多くの思春期映画を観てきたが、久しぶりに“成長痛”とよばれる妙な痛みを思い出した。具体的には膝の少し上あたりにうすら寒いような痛みが走る症状だ。わた […]
10/06/2020 / 最終更新日 : 10/19/2020 komodon-z 映画・ビデオ 刃の上を歩くような恋;『燃ゆる女の肖像』から匂い立つ輝き 『燃ゆる女の肖像』(2019・セリーヌ・シアマ監督) 映画評論家・内海陽子 女性が厭う顔の皺のひとつに、ほうれい線というのがある。そもそも漢字で豊麗線とも書き、頬が豊かなら当然生じる皺だと思うが、美容上、あってはなら […]
08/22/2020 / 最終更新日 : 10/06/2020 komodon-z 映画・ビデオ 幸運を呼ぶ赤パンツ;濱田岳と水川あさみの『喜劇 愛妻物語』 『喜劇 愛妻物語』(2020・足立紳監督) 映画評論家・内海陽子 男優に対する形容として不適切かもしれないが、濱田岳は可憐である。舌足らずではないが独特の幼げな口調が耳に心地よく、彼が画面に出てくるとほっとする。とこ […]
07/20/2020 / 最終更新日 : 09/06/2020 komodon-z 映画・ビデオ 長澤まさみの艶姿を見よ!;『コンフィデンスマン JP プリンセス編』は快作中の快作 『コンフィデンスマン JP プリンセス編』(2020・田中亮監督) 映画評論家・内海陽子 男性はむろんのこと、女のわたしも惚れる長澤まさみの艶姿がふんだんにちりばめられたエンターテインメントだ。女ざかりの女優は、人間 […]
07/06/2020 / 最終更新日 : 07/20/2020 komodon-z 映画・ビデオ 夜にたたずむ男の見果てぬ夢;『一度も撃ってません』の石橋蓮司に映画館で会おう 『一度も撃ってません』(2020・阪本順治監督) 映画評論家・内海陽子 トレンチコートに身を包んだ伝説の殺し屋と評判だが「一度も撃ってません」。石橋蓮司演じる主人公・市川が内心でつぶやく声を聴くと、カマトトめいた色っ […]
06/19/2020 / 最終更新日 : 09/06/2020 komodon-z 映画・ビデオ 現代によみがえる四人姉妹;『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019・グレタ・ガーウィグ監督) 映画評論家・内海陽子 世の中には『若草物語』も『赤毛のアン』も知らない男性がいて、途方に暮れることがある。知らないのはかまわない […]
06/10/2020 / 最終更新日 : 06/19/2020 komodon-z 映画・ビデオ オフビートの笑いが楽しい;『デッド・ドント・ダイ』のビル・マーレイを見よ! 『デッド・ドント・ダイ』(2019・ジム・ジャームッシュ監督) 映画評論家・内海陽子 わたしはゾンビ映画をあまり好まないが、“好まないもの観たさ”という心理が働いてけっこう観ている。今まで観た中で特に気に入っているの […]
05/29/2020 / 最終更新日 : 06/21/2020 komodon-z 映画・ビデオ 老いた眼差しの向こう;『ぶあいそうな手紙』が開く夢 『ぶあいそうな手紙』(2019・アナ・ルイーザ・アゼヴェード監督) 映画評論家・内海陽子 ちょっと気を引くタイトルだがミステリーではなく、「拝啓」で始まるかた苦しい手紙のことだ。いまどき手紙が物語の中心に置かれ、スマ […]
05/17/2020 / 最終更新日 : 09/06/2020 komodon-z 映画・ビデオ 「境目」を超え続けた人;大杉漣さんの現場 「境目」を超え続けた人;大杉漣さんの現場 映画評論家・内海陽子 俳優・大杉漣が亡くなってから2年が過ぎた。親交のあった人たちの証言や俳優論を掲載した『大杉漣 あるがままに』(文藝別冊)が5月19日に刊行された。本サイト […]
04/25/2020 / 最終更新日 : 05/17/2020 komodon-z 映画・ビデオ 心が晴れ晴れとする作品;『五億円のじんせい』の気性のよさ 『五億円のじんせい』(2019・文晟豪監督) 映画評論家・内海陽子 「かわいい子には旅をさせよ」というが、かわいいわが子を危ない世間に出したいと思う親はまずいない。ましてや、幼いころに心臓の難病を患い、奇跡的に生き永ら […]
04/05/2020 / 最終更新日 : 05/05/2021 komodon-z 映画・ビデオ わたしはオオカミになった;『ペトルーニャに祝福を』の爽快さ 『ペトルーニャに祝福を』(2019・テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督) 映画評論家・内海陽子 大学は出たけれど、能力を生かせる職業に就くことができないペトルーニャ(ゾリツァ・ヌシェヴァ)は引きこもり一歩手前のよう […]
03/15/2020 / 最終更新日 : 03/16/2020 komodon-z 映画・ビデオ ヒロインを再現出させる魔術;ゼルウィガーの『ジュディ 虹の彼方に』 『ジュディ 虹の彼方に』(2019・ルパート・グールド監督) 映画評論家・内海陽子 顔立ちそのものより、表情の変化や身体の動かし方が心底好きだ、と思った女優はレネー・ゼルウィガーのほかにはいない。彼女が顔をくしゃっと […]
03/08/2020 / 最終更新日 : 04/02/2021 komodon-z 映画・ビデオ 生きていると否応なく生じる隙間;『街の上で』若葉竜也の「素朴」さに注目! 『街の上で』(2019・今泉力哉監督) 映画評論家・内海陽子 東京というところを一言で説明するのは難しい。わたしは台東区生まれで、北区、足立区と移り住んだが、住んだ記憶のない浅草に行くと、胸の奥がじゅっとするように懐 […]
02/26/2020 / 最終更新日 : 02/26/2020 komodon-z 映画・ビデオ 洗練された泥臭さに乾杯!;『最高の花婿 アンコール』 『最高の花婿 アンコール』(2018・フィリップ・ドゥ・ショーヴロン監督) 映画評論家・内海陽子 フランスといえばパリ、パリといえばおしゃれなパリジェンヌとパリジャン、そして粋なシャンソン。そういう固定した「憧れのフ […]
02/16/2020 / 最終更新日 : 09/06/2020 komodon-z 映画・ビデオ 年を取るってすばらしいこと;波瑠と成田凌の『弥生、三月』 『弥生、三月―君を愛した30年―』(2020・遊川和彦監督) 映画評論家・内海陽子 よく中学校や高校の同窓会が楽しみでならないという話を聞くが、残念ながらわたしには豊かな交友の記憶がなく、そういう感慨を覚えない。まし […]
02/12/2020 / 最終更新日 : 02/18/2020 komodon-z 映画・ビデオ 受賞者の挨拶はスリリング;キネマ旬報ベスト・テン表彰式 続報! 映画評論家・内海陽子が語る「受賞者の挨拶」の面白さ 映画賞では受賞した俳優さんたちの挨拶が楽しい。しかし、俳優とは演技する人だから、なかなか奥が深い。長年、映画賞の受賞式に同席してきた映画評論家の内海陽子さんに、受賞者ス […]
02/12/2020 / 最終更新日 : 02/14/2020 komodon-z 映画・ビデオ 速報! 第93回キネマ旬報ベスト・テン表彰式 2019年 第93回 キネマ旬報ベスト・テン 2020年2月11日、キネマ旬報ベストテン表彰式が、東京都文教区の「文京シビックホール」にて行われました。速報として、表彰式の様子をお伝えいたします。受賞作品および受賞者は次 […]
02/10/2020 / 最終更新日 : 02/10/2020 komodon-z 映画・ビデオ 情熱あふれる歌・踊り・群舞;『ヲタクに恋は難しい』の高畑充希になり切る 『ヲタクに恋は難しい』(2020・福田雄一監督) 映画評論家・内海陽子 足立区の劇場で映画を観終えたら前方から拍手が聞こえた。拍手するのは一人で、館内が明るくなるまで続いた。同調しようかと思いつつためらったわたしは申 […]
02/05/2020 / 最終更新日 : 02/05/2020 komodon-z 映画・ビデオ 関水渚のふてくされた顔がいい;キネマ旬報新人女優賞受賞 「関水渚」キネマ旬報新人女優賞(2019) 映画評論家・内海陽子 今年もキネマ旬報ベストテン発表の時季が来ました。本サイトでも内海陽子さんが「町田くんの世界」を評するなかで注目した、女優の関水渚さんが「キネマ旬報新人女 […]
02/03/2020 / 最終更新日 : 02/03/2020 komodon-z 映画・ビデオ 成田凌から飛び出す得体のしれないもの;ヨコハマ映画祭・助演男優賞受賞に寄せて 「成田凌」第41回ヨコハマ映画祭助演男優賞 映画評論家・内海陽子 2020年2月2日、第41回ヨコハマ映画祭において「愛がなんだ」「さよならくちびる」などで好演した成田凌さんに、助演男優賞がおくられました。このサイト […]
01/27/2020 / 最終更新日 : 01/27/2020 komodon-z 映画・ビデオ 千葉雄大の孤軍奮闘にハラハラ;『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』 『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(2020・中田秀夫監督) 映画評論家・内海陽子 わかりやすい美青年に見えるが、そういう範疇に収められるのを厭うかのごとく、こわれかかった役、ゆがんだ役を積極的に演じるの […]
12/30/2019 / 最終更新日 : 12/30/2019 komodon-z 映画・ビデオ 高級もなかの深い味わい;『初恋』の三池崇史節に酔う 『初恋』(2019・三池崇史監督) 映画評論家・内海陽子 最中という菓子は、中身のあんこのせいで薄い皮が最初から湿っているものだと思っていたが、あるとき高級最中を頂戴したら、あんこと皮が別々に包まれていた。パリッと乾 […]
12/17/2019 / 最終更新日 : 12/17/2019 komodon-z 映画・ビデオ あったかく鼻の奥がつんとする;『星屑の町』の懐かしさ 『映画 星屑の町』(2019・杉山泰一監督) 映画評論家・内海陽子 わたしだけではないと思うが、つまらない演劇を観るのは、つまらない映画を観るよりはるかに苦労する。その逆に、おもしろい演劇を観るのは、おもしろい映画を […]
12/01/2019 / 最終更新日 : 12/01/2019 komodon-z 映画・ビデオ 肩肘張らない詐欺ゲーム;『嘘八百 京町ロワイヤル』 『嘘八百 京町ロワイヤル』(2019・武正晴監督) 映画評論家・内海陽子 コンゲーム映画と聞けば、やはり『スティング』(1973・ジョージ・ロイ・ヒル監督)で、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの粋な姿がす […]
11/17/2019 / 最終更新日 : 11/17/2019 komodon-z 映画・ビデオ 獲れたての魚のような映画;フィッシャーマンズ・ソング 『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』(2019・クリス・フォギン監督) 映画評論家・内海陽子 特にイギリス映画が贔屓というわけではないが、ある地方を舞台にした映画に人なつこい雰囲気のパブが登場 […]
11/09/2019 / 最終更新日 : 11/10/2019 komodon-z 映画・ビデオ 悲しみと愚かさと大胆さ;恋を発酵させるもうひとりのヒロイン 『マチネの終わりに』(2019・西谷弘監督) 映画評論家・内海陽子 世界に名をはせたクラシックギタリストがスランプに陥ったというよりも、漠たる不安にとりつかれたというか、中年の危機に陥ったというほうがよさそうな主人公 […]
10/20/2019 / 最終更新日 : 10/22/2019 komodon-z 映画・ビデオ カトリーヌ・ドヌーヴの物語を生む力 『真実』(2019・是枝裕和監督) 映画評論家・内海陽子 ミュージカル『シェルブールの雨傘』(1964・ジャック・ドゥミ監督)に代表されるように、若き日のカトリーヌ・ドヌーヴは陶器の人形のようだったが、年配になるにつ […]
10/09/2019 / 最終更新日 : 10/09/2019 komodon-z 映画・ビデオ 僕の人生は喜劇だ!;ホアキン・フェニックスの可憐な熱演 『ジョーカー』(2019・トッド・フィリップス監督) 映画評論家・内海陽子 “笑い”とひとくちに言うが、何を笑うか、どういうときに笑うかは人さまざまで、笑いかたのタイミングひとつで粋な雰囲気を醸し出すこともあれば、お […]
09/29/2019 / 最終更新日 : 09/29/2019 komodon-z 映画・ビデオ 相手を「発見」し続ける喜び:終ってしまうのが惜しく感じられる 『アイネクライネナハトムジーク』(2019・今泉力哉監督) 映画評論家・内海陽子 今春公開されて大ヒットした『愛がなんだ』も記憶に新しい今泉力哉監督が、またしても原作ものを手がけた。原作者は人気作家の伊坂幸太郎で、今 […]
08/31/2019 / 最終更新日 : 09/01/2019 komodon-z 映画・ビデオ 俺はまだ夢の途中だぁ~!:草彅剛の持ち味満喫 『台風家族』(2019・市川昌秀監督) 映画評論家・内海陽子 現実の台風は困りものだが、虚構世界の台風には無条件にわくわくする。ましてや訳あり一家が両親の葬儀といいながら偽りの葬儀を行う最中に襲来する台風だから、なお […]
08/12/2019 / 最終更新日 : 08/14/2019 komodon-z 映画・ビデオ 常に新鮮で的確な田中圭のリアクション:予想外な純愛の世界 『劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD』(2019・瑠東東一郎監督) 映画評論家・内海陽子 物語の登場人物が、普段の生活ではまずありえない世界に突入して冒険を繰り広げることを“巻きこまれ型サスペンス”という […]
07/14/2019 / 最終更新日 : 10/10/2019 komodon-z 映画・ビデオ 笑いのお座敷列車 中井貴一の演技が素敵! 『記憶にございません!』(2019・三谷幸喜監督) 映画評論家・内海陽子 いつのころからか、コメディアンとしての中井貴一にひどく惹かれるようになった。年下の彼に対して失礼だと十分わかっているが、理由は簡単、彼がジジイ […]
06/02/2019 / 最終更新日 : 01/18/2020 komodon-z 映画・ビデオ 熱風がユーモアにつつまれて吹き続ける 『町田くんの世界』(2019・石井裕也監督) 映画評論家・内海陽子 がんばっているひとや困っているひとを見かけると、すぐに心と身体が動いてしまう町田くん(細田佳央太)。女子図書委員が本を積み上げて運んでいるのを見れ […]
04/18/2019 / 最終更新日 : 02/03/2020 komodon-z 映画・ビデオ 悲しみとおかしみを包み込む上質なコートのような仕上がり 『愛がなんだ』(2019・今泉力哉監督) 映画評論家・内海陽子 ある映画を気に入った瞬間は、まず身体が喜ぶ。膝がしらに震えが走り、それが全身を駆け巡って頭のてっぺんに至り、見えない歓喜のドームのようになる。映画批評を […]
09/04/2024 / 最終更新日 : 09/04/2024 komodon-z 政治・経済 破裂に向かうAIバブル(6)エヌビディアの株価はまだまだ下落する アメリカのハイテク株が下落して、日本の株式市場も連れ落ちしている。今回もその震源地はエヌビディアである。不思議なことに日本の経済ジャーナリズムは、そのことを正確に伝えていないが、欧米の経済ジャーナリズムは、エヌビディアに […]
08/23/2024 / 最終更新日 : 09/04/2024 komodon-z 政治・経済 破裂に向かうAIバブル(5)ハイテクバブルに崩壊の法則はあるか 日本では株価の乱高下の原因を日銀の金利引き上げに求める傾向が強いが、欧米の経済ジャーナリズムはAIバブル崩壊の兆しだとの疑いを持ち続けている。ただし、その場合の議論でも、AIそのものが本当にビジネスと生活に巨大なインパク […]
08/16/2024 / 最終更新日 : 08/22/2024 komodon-z 思想・哲学 フク兄さんとの哲学対話(42)ヘーゲル①弁証法哲学の早わかり入門 暑いさなかに、なんと、ヘーゲルの思想について語り合うことになった。ヘーゲルといえば難解な文章で知られ、まさに暑苦しいほどビッシリと細かに書き込んである著作ばかりなのだ。そんなヘーゲルの思想について、フク兄さんと真夏に語る […]
08/10/2024 / 最終更新日 : 08/23/2024 komodon-z 政治・経済 破裂に向かうAIバブル(4)いまの人工知能ブームを歴史の中で見なおす 生成AIが経済や生活に革命を起こすというのが本当でも、どのような革命なのだろうか。ここでは歴史にそれを聞いてみよう。革命というのは「それまでなかったことが起こること」だと考えている人もいるだろう。しかし、新しい技術の登場 […]
08/05/2024 / 最終更新日 : 08/10/2024 komodon-z 政治・経済 破裂に向かうAIバブル(3)そもそも今回の株暴落は何から始まったか 日本の株価が急落して、下落を続けている世界の株価のなかでも、際立った崩壊ぶりを見せている。日本では円高と日銀の利上げがその理由だとされているが、円安とゼロ金利が日本をダメにしたという議論もあったことからすれば、必ずしもそ […]
08/03/2024 / 最終更新日 : 08/05/2024 komodon-z 政治・経済 破裂に向かうAIバブル(2)エヌビディアの株価下落が世界を恐怖に陥れた アメリカの株式市場が急落して、金融市場に恐怖が広がっている。その恐怖は日本の証券市場にも感染して、日経平均も2000円以上の下落を示した。この恐怖の根源には何があるのか。すでにAIブームが終わりつつあり、未来を開いてくれ […]