09/30/2022 / 最終更新日 : 10/11/2022 komodon-z 映画・ビデオ 生きる上で幸福は花火のよう;『夜、鳥たちが啼く』の晴れやかな世界への出発 『夜、鳥たちが啼く』(2022・城定秀夫監督) 映画評論家・内海陽子 深刻な顔をして物を書く人を見るのは苦手だが、この映画で小説家・慎一を演じる山田裕貴はどことなくアクティヴな気配がしてわるくない。それはわたしがテレビ […]
09/20/2022 / 最終更新日 : 09/30/2022 komodon-z 映画・ビデオ 男がひとりで食べるフルーツパフェの味;『窓辺にて』の嫉妬とおかしみ 『窓辺にて』(2022・今泉力哉監督) 映画評論家・内海陽子 この映画の主人公が大事に抱える悩みは「なぜ妻の浮気に嫉妬しないのだろうか」である。ふ~ん、そういう人もいるのか、で終わらせてしまえばそれまでのことだが、多 […]
08/29/2022 / 最終更新日 : 09/20/2022 komodon-z 映画・ビデオ 正念場を迎えた4つのカップル;『もっと超越した所へ。』のいい加減で深刻な情熱 『もっと超越した所へ。』(2022・山岸聖太監督) 映画評論家・内海陽子 クズ男に振り回される気の好い女たち4人の奮闘記、という体裁のにぎやかなラブコメディ。よく見ると男たちはそうクズでもない。第一、誠実でよく働く立 […]
08/09/2022 / 最終更新日 : 08/29/2022 komodon-z 映画・ビデオ 『ドライビング・バニー』は振り返らない;アンチヒーローの正義 『ドライビング・バニー』(2021・ゲイソン・サヴァット監督) 映画評論家・内海陽子 物語の主人公になるには、いくらマイナス要素を抱えていても他人を味方にできる力を持っていなくてはならない。この映画の主人公、バニー( […]
07/30/2022 / 最終更新日 : 08/09/2022 komodon-z 映画・ビデオ 永野芽郁のバンカラ女子がいい;『マイ・ブロークン・マリコ』の確かな手ごたえ 『マイ・ブロークン・マリコ』(2022・タナダユキ監督) 映画評論家・内海陽子 悲劇の主人公が、いかにも悲劇の主人公として観客に共感を迫るのは二流だ。たいていの悲劇は他人にはさしたる悲劇ではなく、ときどきかなり滑稽な […]
07/18/2022 / 最終更新日 : 07/30/2022 komodon-z 映画・ビデオ 料理が結ぶ恋愛関係;『デリシュ!』で楽しむ幸福の味 『デリシュ!』(2020・エリック・ベナール監督) 映画評論家・内海陽子 今はお金さえ出せば誰でも最高級の料理を味わえるが、貴族だけが自分の料理人を持ち、贅沢三昧をしていた時代があった。この映画の冒頭に登場する貴族た […]
07/01/2022 / 最終更新日 : 07/18/2022 komodon-z 映画・ビデオ 「イエス」で答えて「アンド」で繋げる未来;『もうひとつのことば』の初々しい二人 『もうひとつのことば』(2021・堤真矢監督) 映画評論家・内海陽子 「このご時世にちょっと英語ができたって、わたしにできるのはカフェで嘘つくだけ」とヒロインが慨嘆するシーンがある。この言葉にほっとしたあなたは、英語が […]
06/22/2022 / 最終更新日 : 07/01/2022 komodon-z 映画・ビデオ 人生における美しい瞬間;『セイント・フランシス』の小さな体験 『セイント・フランシス』(2019・アレックス・トンプソン監督) 映画評論家・内海陽子 ゲイの男性の晩年を描く『スワンソング』(2021)の終盤に、海辺で楽しそうに子どもを遊ばせるゲイのカップルが現れる。「男同士が子 […]
05/31/2022 / 最終更新日 : 06/22/2022 komodon-z 映画・ビデオ あの世への優雅なダンス;『スワンソング』の心地よい風に吹かれて 『スワンソング』(2021・トッド・スティーブンス監督) 映画評論家・内海陽子 心弾まないグレーのトーンにおおわれた療養施設で過ごすミスター・パット(ウド・キアー)は、毎日が面白くない。食事用ナプキンをこっそり持ち帰 […]
05/23/2022 / 最終更新日 : 05/31/2022 komodon-z 映画・ビデオ 鳥肌が立つほどの軽やかさと上品さ;中井貴一の『大河への道』は裏切らない 『大河への道』(2022・中西健二監督) 映画評論家・内海陽子 俳優の中井貴一を信頼している。特に、人の思惑の板挟みになり、やむを得ず奮闘する中間管理職の中井貴一を信頼している。小泉今日子と共演したドラマ『最後から二 […]